RSLってなに?

こんにちは。

ECサイトの運営は、サイト制作・更新管理から商品企画やマーケティング、仕入れや製造、撮影、商品ページの作成、在庫管理、お客様対応、受注作業、出荷対応……などなど、やることがてんこもりです。

バックエンドにおける物流だけでも自動化したい……!そう考えているショップは山の様にあります。

今回はそんな物流に関わる、RSL(楽天スーパーロジスティクス)についてお話ししたいと思います。

RSLとは:と~ってもかんたんに

RSLとは、正式名称を『楽天スーパーロジスティクス』と言います。

ざっっっっくりいうと、楽天版FBAみたいなものです。

もう少しだけRSLを詳しく説明すると、楽天市場の出店ショップ向けの、物流関係がアウトソーシングできるサービスです。
入荷→保管→梱包→出荷→配送 までを一括でRSLが代行しますよ、ということです。

楽天の倉庫に商品を入荷して、そこから出荷します。現在全国に6拠点あります。例えば会社が北海道にあっても千葉の拠点から出荷することができれば、迅速なお届けにつながりますね。迅速なお届けはショップの大きなメリットでもあるため、大事な点ではないでしょうか。

現時点ではRSLの方が料金においてもサービスの質においてもFBAより優れていると思われます。RSLがFBAより後発なサービスであるため、指標していることが理由と考えられます。楽天市場に出店されているのなら、RSLの導入を検討してみるのもいいと思います。

勿論、食品等であれば商品の期限の管理や、資材でのギフトラッピング対応、チラシなどの同梱物対応など、色々なオプションにも対応しています!

これらは代表的なオプションです。商品の特性やショップによって必要なオプションは様々ですので、「これはできるのかな?」と思ったら問い合わせをしてみましょう。

 

RSLには利用条件がある?

RSLにも当然利用条件があります。と言ってもハードルがものすご~く高いものではないので安心してくださいね。利用条件は下記の2点です。

1.楽天市場へ出店していること!
当たり前と言えば当たり前のことですが、RSLは楽天市場の出展企業向けのサービスです。FBAもAmazonに出店していないと利用できませんよね。ただ、RSLではFBAでは行っていない他店舗の注文を楽天の倉庫から出荷することが可能なんです。

2.受注管理システムの導入が必須‼
楽天市場では、注文が入ると、RMSの管理画面にどんどん注文が溜まっていきます。

自社出荷を行っているショップであればサンクスメールも納品書の印刷を含めた注文管理を「全てRMSでしている!」という事もあるかもしれませんが、RSLを利用するには、注文情報をまとめて管理する受注管理システム(OMS)の導入が必須になります。

このOMSですが、楽天市場は、RSLで出荷が可能な「BOSS」というシステムを提供されています。

最低限の機能は無料!「BOSS」は楽天市場からの出荷に関しては料金がかからないのも魅力です。有料版も楽天の注文は従量課金の対象外なので、楽天の注文が多い場合はコストを抑えることが出来ます。

また、自動出荷連携に対応しているので、「確認したい注文」以外はどんどん出荷に回されていきます。あす楽の自動出荷ができればそれだけで楽になるショップも多いのではないでしょうか!

RSLの利用=BOSSの利用ではない

楽天市場がリリースしているシステムの為、RSLを利用するならBOSSを使うのが一般的だと思いますが、実は導入する受注管理システムはBOSSじゃなくても問題はありません。

現在BOSSとの連携に対応している受注管理システム

・クロスモール
・ネクストエンジン
・助ネコ
・アシスト店長
・GoQSystem
・TEMPOSTAR 
などなど。

その中でも自動出荷に対応しているのは、クロスモールとネクストエンジンです。自動出荷対応のOMSとRSLを連携することにより楽天以外の店舗で売れた商品もRSLから発送可能になり出荷業務をもっと効率化することができます。

既にネクストエンジンを導入しているんだけど…という場合は相談してみましょう。今とオペレーションを大きく変えることなく出荷業務を効率化できるのは魅力的ですよね。

RSLのメリットとは??

・あす楽に対応できる!
 当日15時30分までの出荷指示であれば、翌日中の配送してくれます。特に土日祝日の対応が可能なのは嬉しいですね。自動出荷に対応しているのであれば、土日祝は「自動出荷できる注文だけ出荷」といった対応も可能なので、連休明けに大量の注文があるという事も少なくなりますね。365日出荷対応しているため、年末年始やゴールデンウィーク、お盆も問題ありません。

・商品の梱包や発送など出荷に関わる作業をアウトソーシングできるので、コア業務に集中できる!
 基本にして最大のメリットです。出荷梱包業務から解放され作業に追われる心配がないのは嬉しいし助かりますよね。まあ、これはどの物流サービスにアウトソーシングしようが同じではあるので、他のサービスとしっかり比較検討することが大事です。
こういったサービスはルールが厳格で柔軟な対応は難しいですが、できることが狭まるという面もありますが自然とルールが定まっていくというメリットもあるのではないでしょうか。
特にバックエンド業務はお客様対応が絡まってくるため正解がなく、全てのご要望に無理やり答えているとルールがとんでもなく複雑になってしまうこともありますので…。

・RSLカルテによるデータ管理
効果的かつ効率的にRSLを活用できるように「RSLカルテ」という分析レポートがあります。
RSLカルテでは、物流コスト推移や基本情報(入荷数・出荷数・保管数)、長期保管の傾向や売れ筋商品の欠品日数の主に4つの内容から構成され、物流課題の特定と対策を見える化してくれます。

・店舗への専任担当者制度
「店舗への専任担当者制度」です。
楽天スーパーロジスティクスは、2022年6月現在、5000店以上のショップ立ち上げ経験があり、EC特有のポイントを熟知した担当が専任としてつくので、プロの目線から物流改善や売上向上のサポートを行ってくれます。

・配送の質が一定
RSLは日本郵便と提携しているため、配送の質が一定です。ギフト対応やチラシなどの封入が可能ですし、メール便も利用できるのが嬉しいポイントです。

・他モールからの注文も同じ手数料
実はFBAではとっても高くなる「他モールからの注文の配送」が「同じ料金で対応」できるんです!!BOSSの利用料も楽天の注文は無料なので、楽天市場の注文が多ければ大きなメリットになります。とはいえRSLの料金形態は「①在庫保管料+②出荷作業料+③配送料」です。
商品のサイズによって在庫保管料が割高になってしまう事もあるかもしれませんので、メリットではありますがあくまでも要素の一つとしてとらえることをお勧めします。 

・波動対応が楽になる
 特に楽天は月に2回イベントがある事もありますからね。そのたびに倉庫の人員を厚くするためにシフト調整…といったことをしなくてよくなります。

RSLのデメリットと注意点とは??

・OMSの導入が必要
 もともとOMSを導入していないショップであれば、倉庫との連携のための受注管理システムの導入が必要です。導入にはそこそこの労力が必要です。(OMSを導入していてもRSLの為の設定対応が必要になります。)実際に発送を開始できるまでに1~2ヶ月は時間は要してしまいます。
また、BOSSを導入するとしても無料なのは最低限の機能ですので、BOSSの利用料金も別途発生します。

・取扱不可商品が…
 まず生ものは取り扱えません。まぁこれはFBAも同じですのでどでかいデメリットかと言われるとそうではないかもしれません。他にも販売価格は30万円が上限だったり、組み立て設置の必要な商品だったり、医薬品だったりは取り扱えません。また管理上の注意としてRSLの倉庫は空調設備がないので、最大35℃から最低0℃といった環境での保管となるため、極端に熱や冷えに弱い商品はRSLには向かないので注意が必要となってきます。

 「バーコードの無い商品」は取り扱いできません。一般的な倉庫であれば、入庫時にバーコードを付与してくれるオプションがあったりするのですが、やはりこういったサービスはルールが厳密に決まっている為、ショップの状況に合わせた臨機応変な対応は難しくなってきます。

 あとね、160サイズ以内!!3辺の合計が160㎝いないじゃないとだめです!これもFBAと同じです。でも!検索で優位になるんだし導入したいけど無理なの!!ってショップにとっては楽天市場ごと呪いたくなってしまう仕組みですねえ…生ものの取り扱いができないけど新規出店店舗は39ショップが適用されるので、3980円で配送料無料になっちゃいますからね・・・・・日本の端にあればあるほど厳しいですね…

ドラッグストアや大型の家具を扱うショップは、自社の製品が楽天スーパーロジスティクスの対象かをしっかりと確認しましょう。 

・倉庫の移動
倉庫の状況に応じて物流拠点が決まるため、RSLを利用している最中に稼働拠点が変更になるなんて場合もあったりします。

・配送遅延や明確な発送日が分かりにくい
 やはりイベント時などは遅延が起こりやすくなります。そして、自社出荷であれば「発送いつ?」と聞かれた際「〇日の予定です」等と返答できていたものがRSLだといつ出荷なのか具体的に分からない事も。ここに関しては諦めるしかないので精神的に楽になった、という声と、明確な回答ができず問い合わせ対応の品質が下がった…という声の両方が聞こえてきました。

事業自体が拡大することで、遅延が起こりにくくなる可能性はありますが、出荷のペースを自社でコントロールできなくなる事を理解した上で覚悟が必要です。

RSLまとめ

今回はRSLについてのお話でございました。

AmazonのFBA、Yahoo!のフルフィルメントサービスと比較されることも多いサービスですが、全てにおいて完璧ということはありません。RSLはECサイト運営者にとってメリットが高い仕組みになっているので全体的に満足度が高い印象です。倉庫とのやりとりが分かりにくい部分があったり、キャンセル料や保管料が高いなどの声もあったりもします。

ショップによっては、柔軟な対応ができる一般的な倉庫サービスの方が相性がいいこともあるでしょう。自社の特性を活かしつつ効率化を進めていく上でどのサービスをどのように利用すべきなのか考える事が必要でありそうですね。

様々な要素が絡み合って、選択は非常に難しいですが決断の一助になれば幸いです!

読んでいただきありがとうございました。

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