ECにおいて超絶ややこしい領収書の話:その2

こんにちは。アプロ総研の受注担当です。

今回はECにおける領収書のお話、その2と題しまして「領収書の禁止事項」についてお話をしていきたいと思います。社会人になり領収書について詳しく知ったという方もおられると思います。普段の生活ではあまり意識をしていない領収書かもしれませんが、意外といろいろな決まりがあるんです。そのあたりのお話を少ししていこうと思います。
ちなみに前回のお話に興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、覗いていただけると嬉しいです。

前回はこちら:ECにおける超絶ややこしい領収書のお話

領収書は「信書」という文書である。

前回もちょこっとお話ししましたが、領収書というのはとっても大事な書類です。意外と知られていないかもしれませんが領収書って文書の中でも「大事な書類ですよ!」とされる「信書」というものに分類されます。

実は納品書やお手紙も信書ですし、免許証や健康保険証や契約書なども信書です。

信書の定義は総務省のHPをどうぞ!
https://www.soumu.go.jp/yusei/shinsho_guide.html

そして、この信書というものは実は取り扱いできる事業者が決められているのですが、ご存じでしたか?
私はこの仕事をするまで意識したこともなかったです。
手紙や領収書などの「信書」を、郵便ではなく宅配便で送ることは、法律で原則禁止されてるんですね。
送った人(EC事業者)はもちろん宅配業者にも罰則があります。

「え?でも普通にECの買い物で領収書とか商品と一緒に荷物に入ってるじゃん?あれも違法なの??」と思いますよね。

そう、信書は信書なのですが、「「添え物」として扱う場合はこの限りではないよ」って例外があるのです。
なんだそれ?ですよね。
では、ECを行っていく上でどうなったら例外になるのか?を解説していこうと思います。
色々なパターンがありますが、皆さんもECでのお買い物の経験者だと思うので今までのお買い物を思い出しながら読んでいただければわかりやすいんではないかと思います。 ではいってみましょう!

ポイント!それは「無封

信書は原則として宅配便で送ることはできません。が、「貨物に添付する無封の添え状又は送り状」は例外として宅配便でも送ることができます!

つまりECサイトで買物した商品と一緒に送られる、「無封」の領収書は適法ということです。
「無封」に含まれる状態であれば宅配便で一緒に領収書を送っても合法です。ですからくれぐれも領収書に「」をしてはいけません。しかし,無封に含まれる状態ってどういう状態?と思いますよね?

じゃあどうすればいいのか? そのあたりを解説しちゃいますね。

・領収書をむき出しそのまま「同梱」する。

「無封」とは、封筒等に納めていない状態、封筒等に納めて納入口を閉じていない状態のこと。
そういえばECサイトの買い物の納品書とか領収書とか、荷物の上にポンと載ってたりしますよね! あれにはこういう理由があったんです。決して雑にしているわけではなく、同梱する術と言いましょうか「無封」の決まりを守っているんですよ。因みに封筒に入れる=同封、箱(ダンボール)に入れる=同梱です。「無封」すなわち「同梱」となるわけです。

でもでも!ECサイトの領収書、なんか封筒に入ってた時もあったよ!って方もいらっしゃいますよね。ですが… よ~く思い出して! 封筒に入っていても封はどうなっていましたか?

・封筒に入れても領収書に「封をしない」これならOK!これも「無封」状態です。

いやいや、ECで食品ギフトとか買うとクール便とかになるじゃん?領収書がびちゃびちゃになるじゃん? そんなことを思ってるそこのあなた!

・「該封筒等が透明であり容易に内容物を透視することができる状態」も無封扱いになります!

ECの商品とは別に領収書を透明なOPP袋なんかに入れておけば、封をした状態で入れても領収書は「無封」扱いです。

そういえば電子機器の納品書とか、箱の外に透明な袋に入って貼り付けられていたりしますよね?
外箱そのままを発送するタイプの商品などは外に貼ってもOKということです。

これらをまとめるとこうです。

  • 領収書をむき出しそのまま「同梱」する。
  • 封筒に入れても「封をしない」。
  • 封をするなら透明で、中身が確認できる袋を利用する。
  • もしくは「開閉自由」など内容物の確認のために開閉してもOKなことが分かるようにする

・・・ということで結構な範囲で例外が存在します。

世の中のEC事業者はきちんと法律を守っていることが分かりいただけましたでしょうか。みなさん法令順守しておられるんです。

詳しくは再度総務省のQ&Aをどうぞ!
https://www.soumu.go.jp/yusei/111117_01.html

逆に言えば、同梱じゃない場合は信書が送れるサービスで送付しないとだめということです。

ECサイトで商品発送後に領収書が欲しいといわれ、郵送する場合はちゃんと信書OKのサービスを使って送りましょう。

領収書を一枚送付するのに宅配便を使うことは無いと思いますが、メール便発送を行っているEC事業者ですと手間や資材の関係からつい送ってしまいそうになることがあるかもしれません。ですが… いけませんよ。
ネコポスやゆうメールなどで信書を送るのは違法となります。
特に日本郵政のサービスでもゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストは信書不可ですので、EC事業者の皆様は注意しましょう。

 

閑話休題:信書をメール便で送っちゃった怖い話


【ヤマト運輸】
クロネコメール便の廃止について

実際にメール便にて信書を送ったことにより、郵便法違反容疑で書類送検、もしくは警察から事情聴取されたケースなどがあったため、ヤマト運輸は「クロネコメール便」のサービスを廃止しています。

内容に関しては、信書の定義が非常に曖昧(先にお話ししたように例外が多い)な為に『安全で安心なサービスの利用環境』と『利便性』を努力だけで持続的に両立することは困難であると判断されたそうです。

代わりに2015年より

  • クロネコDM便=カタログやパンフレット等不特定多数へ送付する信書に当たらない文書を送るサービス
  • 宅配便コンパクト=60サイズ以下の小さい荷物を送れるサービス
  • ネコポス=追跡機能の付いたメール便サイズの荷物を送れるサービス

を展開していました。
※ネコポスは2024年度末を目途に順次廃止する計画を発表しています。

ネコポスはヤマト運輸と契約した法人・個人事業主か、ヤマト運輸と契約のある一部の個人間取引サイト(フリ―マーケット、オークションサイト)の利用者しか利用できません。

つまり完全に個人では取り扱うことができないんですね。こうして信書が違法に発送されてしまうのを防いでくれているというわけです。

領収書がPDFなら関係ないよね?

関係ないですね!そしてラク
世の中にはEC向けの領収書発行アプリというものがあります。

パッケージ化されたサービスを使えば、法改正があった場合などもサービスが勝手に順法してくれるので楽です。本当にラクです。
しかも注文前、発送前、発送後、どのタイミングで領収書に関する問合せが来てもPDF発行のご案内をすればOKなので、カスタマー対応的にも本当にラクです。

が、落とし穴もあるんですよ!

それはPDFの領収書は「双方の合意があれば」法的に有効…とされています。

…そう、「双方の合意があれば」。なので、EC事業者は領収書はPDFで発行~と思っていても、お客様にどうしても紙で欲しいと言われた場合は対応している会社も多いでしょう。

また、二重発行防止の観点から決済方法によって領収書が発行可能かどうかが定められていたりしますので、ご案内時は決済方法ごとにご説明するなど、くれぐれもご注意ください。決済方法が多様なECだからこそ、そこが非常にややこしいポイントですね。

 

そういえば収入印紙は…?

前編で述べた通り、ECでは直接現金のやり取りがないので5万円を超えた場合も領収書に収入印紙は必要ありません。

その他の決済方法は別のものを領収書とすることができますので、ECでの領収書発行は実質収入印紙が不要ということになりますね。
代引きは配送業者が印紙代を払って、EC事業者へは印紙代の差し引かれた額が入金されますので、全く無関係ということは無いのですが。

因みにPDF発行の場合、印紙税は非課税になるので不要です。
購入者側がPDFを印刷して紙で保存する場合も不要です。文書そのものが実際に交付されないという理由から非課税です。

EC事業者側がPDFを印字しての同梱は課税対象です。
【注意点】店舗側がPDFを印刷した場合は文書になりますので5万円を超えたら収入印紙は必要となります。

なんでこの話を一番最後に持ってきたかというと、領収書の二重発行がダメ!ということを書いた後なので、そもそも課税対象になる事はほとんどないよ、という事が理解しやすいからです。

つまりこういうことです。

  • クレジットカード決済の場合、収入印紙は不要!
  • その他の決済の場合は別の書類を領収書とすることができるので、結果的に収入印紙は不要!



他にやったらダメなこと

  • 先の日付で領収書を発行する
  • 明らかに商品と異なる但し書きを記載する

ECだろうが何だろうが、虚偽の記載などは改ざんの罪に問われるかもしれないので絶対にダメです!しっかりお断りしましょう。

因みに私文書偽造罪という罪です。

領収書は本当にややこしい

大切なことだと頭で分かってはいても、領収書って発行する側に回ると本当に色んなルールがあるんですよね。
しかも色んなルールが絡み合っているのです。ひとつひとつは難しくなくても交差しているので結果的にとっても複雑です。

しかし、私も一購入者だったころ、こんなことは全く知りませんでした。
会社で領収書もらってきてと言われるからもらうみたいな感じでした。領収書ってただの紙切れではないんです。知らないって怖いですね。

当然のことですが、購入者の方も知らない可能性があります。PDF発行が基本だが紙での発行を求められた場合、再発行を求められた場合…など、可能な限りルールを定め、ご利用ガイドを作りこみ、注意書きを表示しましょう。

EC事業者が正しい領収書の知識を持ち、ショップを運営することがお客様の安全・快適なお買い物を支えているんです。

これからEC事業に関わる方や今まで知らなかったという方へ何かの参考になれば幸いです。

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