商品管理で重要な事

商品管理とはそもそも何なのでしょう。

わざわざ管理しなくても販売は出来るし、特に管理等せずとも後からどうにでもなるからいいや

そんな風に考えてECをスタートする人が非常に多いです。

しかしその後商品や店舗数が増えてきた場合に、適当につけてしまったコードのせいで管理が非常に煩雑になり、さらに悪循環を生み出す。

そんな状況になってしまった事例や相談をよく耳にします。

今回はECにおいて、商品そのものの物理的な管理ではなく、一番問題になりやすい商品コード等のシステム的な管理の側面からトラブル事例等を含めて見ていきたいと思います。

商品管理で困る事

そもそも商品管理をしていないことによって何が困るのでしょうか。

一番大きいのは業務コストです。しっかり商品管理している場合としていない場合ではそれこそ状況によって10倍以上のコスト差が出るケースもあります。極端な表現をすると、しっかり商品管理していれば1人の社員で賄える業務を社員10がかりで対応している状況が生まれてしまっていたりします。

そしてある程度の規模になってきてから「今からしっかり管理していこう」となったとしても、既にぐちゃぐちゃになってしまった商品情報はどこから手をつければいいのか・・・という状況になってしまい、着手すらできなくなります。その状況でもさらに商品数は増えていき、もっと難易度があがっていく、という悪循環ループが起こるのです。

こうなってしまうと抜け出すのは非常に困難で、コストもものすごくかかってしまう事になります。「システム会社に頼んだら上手にやってくれるのでは?」と思われがちですが、あなたの店舗の商品情報を知らないシステム会社には対応はできません。

状況によっては出来る場合もありますが、それでもびっくりするようなお値段になるケースが多いです。

結局「自分たちでやろうか・・・」と社員総動員で対応するも、途中で破綻してしまい中途半端な状況が出来上がってしまいます。

最初から少しの労力を惜しまずに管理していれば、大きなコストがかかることもなく最大限コストの圧縮が可能になるのです。

適当なコードルールだとその後のコードも適当になる

よくあるのは、サイト立ち上げの時にルールや命名規則等も何もない適当なコードを設定してしまい、その後増員等で対応メンバーが増えたが全員が前に倣えで適当なコードをつけてしまい、全く統制のとれていないコードになってしまうケースです。途中から参加したメンバーがその適当なルールに疑問を持って対応してくれるなんて大間違い!大半が前に倣えしてしまいます。これは仕方のないことなんです。

ルールが無いのですがから、どうやって命名すればいいのかは個人に委ねられます。そうした場合に前回登録された商品が「abc」みたいな適当なコードだと、次は「bcd」でいいか・・・となってその意味のないコードをつける事自体が命名規則・ルールとして扱われてしまうのです。

店舗間で違うコード体系の為に紐づけが困難

順調に売り上げが伸びてきだした頃に定番施策として行われるのが他モール等での別店舗出店です。そしてよくあるのが店舗毎に違う担当者が設定されるケースです。そういった場合に元々存在していた店舗とは違うコードルールで商品が管理されはじめたりします。元々存在していた店舗のルールが適当だった場合はもちろん、しっかり設定していたとしても違うコード体系になってしまっていたりします。そのためにA店舗における商品ZがB店舗ではどれだというのがデータ上非常にわかりにくくなってしまたりするのです。こうなってくるとどの商品がどれかというのが全て担当者経験値頼りになってしまい、他のメンバーが誰も触れないハイパー属人化されたデータになってしまいます。

属人化されたデータは担当者の退職により大きな爆弾にもなりますし、どの店舗でも必要な共通の業務等を効率的に集約することが可能とわかっていても出来なくなってしまいます。

また、あとから紐づけを行うとしてもどうしても違うコード体系で作られている以上、何かしらワンクッションかませる必要が出てきます。それが手作業なのかシステムで自動なのかはわかりませんが、少なからずワンクッション必要となります。

ワンクッション自体はよくある仕組みなので問題はそれほど大きくありません。それよりもそのワンクッションに対する材料としてコードの対比表、紐づけ情報を作るのにとんでもなく時間がかかります。これはもう担当者さんの頭脳に頼るしかできないので、社内コストとして大きな痛みを伴います。

場合によっては商品の削除が必要に

適当につけていたので紐づけが出来ない、けどコードを変える為には商品自体の削除が必要になってくる。そんなケースもあります。

基本的には商品コードはユニークキー(他に存在しない一意の値)になっていて重複できない場合が多いです。その為、モールやカートの仕様としてコードの変更が出来ない事も少なくありません。そういった場合には削除の必要が出てきますが、削除してしまうとせっかく溜まったレビューが消えてしまう等もあり、結局見て見ぬフリをする状態が続き、さらに悪循環が続きます。モールによってはレビューが非常に重要な役割を果たす場合があります。特別な役割がなかったとしてもそもそも顧客目線から考えた場合にレビューは非常に大事です。そういったレビューが消えてしまうことが致命傷になり得ます。商品管理に着手したものの致命傷を負うリスクをとる事が出来ず、結局はそのまま放置となってしまうケースが多いです。

紐づけが出来ない為に便利な仕組みの導入ができない

紐づけが出来ていると使用可能な便利な仕組みが多くあります。例えば以前少しご紹介した受注を管理する仕組みシステムのOMS等は状況によっては本当に圧倒的な効率化が可能になるケースがあります。そういった仕組みを使えばコストも半分以下に抑えられる、というような状況でも紐づけができていない為にその便利な仕組みを使う事が出来ず、各担当者さんが経験値のみで毎日必死にこなしているというような話をよく聞きます。

上記のような「困った」をなくすためには最初に手を打っておくことが非常に重要になります。

商品数が少ない段階であれば修正も容易です。ですが何千~何万と商品数が増えていけばいくほど修正は困難を極めます。

何度も管理に着手しようとしたが、増えすぎた商品を整理しきることができず、失敗に終わったという話もよく聞きます。

商品管理問題の解決策として

もちろん一番いいのは最初から問題が起こる事を認識の上、しっかり管理していく事で問題が起きる前に防ぐ事は可能です。

ですがもう大変な状況に陥ってしまっている場合はどうすればいいのでしょう?

まずは「100点を諦める覚悟を持つ」事が重要です。

どうしても売上の要になっている商品のコードを変更することができない場合等があると思います。

そういったデータに関しては「イレギュラーとして別対応する」というルールを設定してしまいましょう。

1万商品中の30件だけイレギュラーで対応するとしても問題はありません。もちろん全てレギュラーとして対応できるのが一番いいのですが、仮にイレギュラーとして時間を費やしたとしても、残り9割がレギュラーとして対応可能で業務効率を圧倒的に圧縮できるのであれば損はないと思います。

売上の少ない商品等は削除して作り直すという事も考えます。

今一瞬の労力は増えますが、今後ずっと続く業務コストを考えて決断してください。

上記のようにイレギュラーとして捉える、諦める事は諦める事で便利な仕組みの導入も可能になり得ます。

商品管理においては正解がありません。取引先や外部の都合等によりしっかりと管理できないケースもあります。

どこまでの商品管理が可能か、どこからを諦めるかを明確にすることにより、出来る限りの範囲でコスト軽減を目指しましょう。

まとめ

早い段階でどんな問題が起こるのか知る事で、商品管理の重要性を感じていただければと思います。

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